吹奏楽におけるコントラバスの役割について その1

私は音大を卒業後は数年間NPO法人の吹奏楽団に所属していました。

そこでは定期演奏会をはじめ、世界吹奏楽大会(WASBE)に出演したり、数多くのレコーディングをしたり、また著名な作曲家の指揮による自作自演など多くの経験をしました。

その経験をもとに中高の吹奏楽部ではレッスンをするのですが、吹奏楽におけるコントラバスについていつも必ず伝えることがあります。

それは、
「コントラバスの役割は、低音の音色を変えること」
です。
他にもいっぱいあるのですが、今回はこの話です。

「コントラバス!!聴こえない!!!」
と指揮の先生に怒鳴られるのはよく聞く話です。

もしそう言われたら、
「では単板で新品の弦と程よい弦高の楽器と、毛替えされた弓を用意してください。弦はオリジナルフラットクロームで。」
と言いましょう。

それは冗談ですが、私はコントラバスは基本的には単体で聴こえてこなくてもいいと思っています。
聴こえて欲しいと思う場面は

  • おいしいピチカート
  • 静かなとき

くらいです。

では、単体で聴こえてこなくてもいいということは、いなくてもいいのでは?と考えるかもしれませんが、そうではなく、コントラバスは他の低音楽器に混ざりにいって低音楽器群の音色(サウンド)を変えるためにいると思っています。

例えば二分音符や全音符等で全体で和音を聴かせるような時には、テューバはテューバで低音の役割を果たすためにしっかり吹くと思いますが、テューバやユーフォ、トロンボーンあたりに頑張られるとファンファーレのような金管感が強くなってしまう場合があります。

そんな時に(そうでなくても)、コントラバスが響きのあるしっかりした音で弦を擦るゴリゴリ、ジリジリ、ジョリジョリ、ザラザラとした音を出して混ざりにいくと、金管感が和らぎ音色が変わるのです。

なので私は、
『テューバさん、バスクラ・バリサクさん、全体を支えるのは任せるし目立っちゃっていいから、ちょっと混ぜて〜!いい感じになるから〜〜!!』
というくらいの、決して対等ではなく他の低音楽器に低音としての役割は任せきって弾いています。
そうするととても気楽です。そして気楽になるとのびのび弾けて、結果いい音が鳴るのです。
(任せるといっても手を抜いてはいけません。必要以上に頑張らないというニュアンスです)

合奏の時に単体で「コントラバス聴こえてて良いね〜」を目指すのではなく、「低音良いサウンドしてるね〜」が最高の褒め言葉だと思っています。

それが分からずただ聴こえないからと怒られたとしたら気にしないでください。
耳の良い人や審査員の方にはちゃんと伝わっています。

もっと分かりやすく中高生に説明する時は、
コントラバスはマイナスイオンだと思ってください。」
という言い方もします。
『なんかよく分からないけどあるといい』

吹奏楽におけるコントラバスは、そういう役割だと“私は”思っています。

ただし、前半であげたおいしいピチカートや静かな時など欲されていることを察知して、その時は5割増で頑張らないといけません。

その話は次回に。